「一時期『添加物が入っていて体に悪そう』というイメージがあった魚肉ソーセージですが、まったくそんなことはありません。常温で持ち運べるようにとレトルト殺菌しており、保存料は入っていません。また、魚のすり身ですからたんぱく質も入っていますし、カルシウムも豊富。むしろ健康を手助けするような食品なんです」
マルハニチロでは、さらなる健康志向の商品も開発した。それが2024年2月に発売した「DHA入りリサーラソーセージω」だ。これは特定保健用食品(トクホ)を取得した同社の自信作である。
「こちらはDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)が、合わせて1000ミリグラム入っております。これらによって、血管の弾力性を高めたり、血液がサラサラになったりという効果が見込まれます。つまり、心血管疾患になるリスクを低減する可能性があるのです」(福田氏)
福田氏が言う「心血管疾患になるリスクを低減する可能性」は、同商品のパッケージにも記載されているが、トクホの中でも具体的に疾患を載せるのは審査上非常にハードルが高い。マルハニチロの「DHA入りリサーラソーセージω」は、個別審査型で疾患名の表示を初めて国が認めた健康食品なのである。
「消費者庁の消費者委員会で審議をされている専門家の方々に、DHAが体に良いものだとはっきり認めていただいた結果です。安全性や効果などについてのエビデンスも用意し、発売まで足掛け3年ほど消費者庁さんとやりとりを重ねましたね」(福田氏)
2月の発売だが、売り上げは「我々の予想よりだいぶ上を推移している」(福田氏)とのことで、「魚肉ソーセージ=健康食品」という役割がより周知されている。ちなみに、福田氏の部署の社員のほとんどがお昼休憩に魚肉ソーセージを1本食べて、健康維持に努めているそうだ。