だが、翌日、その病院から電話が来た。

「すぐに来てください」

 その言葉に生きた心地がせず、内心ザワザワしながら急いで病院へ駆けつけた。

 すると、昨日と同じ内科医が、「あー、急に呼び出しちゃってごめんね。あなたね、すごい貧血。ヘモグロビンっていう数値がね、普通の人の半分しかないの」と言ったところまでで、ホッとして一気に力が抜けたのを覚えている。

 なんだ貧血かぁー。この先生、訛ってるなぁ。

 なんてゆるんだのを見透かされたように、「これは大変なことなんだよ」と諭された。

 言われてみれば確かに、立ちくらみはしょっちゅうするし、体がなかなか思うように動かないし、朝は苦手だし、氷をボリボリ食べるし(氷食症)。ただ単に私が怠け者だからかと思っていたことのほとんどが、酷い貧血からくる症状なのだと教えてもらった。

 おまけに私は、大切な鉄を流してしまう、カフェイン含有量の高いコーヒーや緑茶、紅茶などの飲料が大好きだったので、これらの禁止令も出た。

 それから鉄剤を処方してもらい、しばらく経ったあと、「おや、スムーズに動けるぞ」と実感し、徐々に身体の健康を取り戻していったのである。