「感情をわかってもらう」ことは
自己存在感を育むことにつながる

 わかってもらえていない娘は、そこに生じるさまざまな感情を抱えて苦しむことになります。感情を無条件でわかってもらうことは、自己存在感を育むことにもつながりますし、学校をはじめとした社会に安心して出ていけることにもなります。

 特にネガティブな感情をたくさん抱いているので、その感情をわかってあげることが重要です。

 母親は女性同士なので、感情をわかってほしい欲求を知っていて、聴き上手な場合が多いかもしれませんが、父親はそれが苦手です。

 聴いてあげるよりも、解決方法を提供したくなります。

 娘が求めているのは、問題や課題の解決方法ではなく、感情への理解なのです。

 悩みを解決するのと、悩んでいる心の状態をわかってあげるのは、それぞれに大事な親の務めだと言えるでしょう。もちろん、父親だからこその意見がほしい場合もあり、そのときは的確な答えも必要になります。

父親はどんなときも
心の余裕を持たねばならない

 お父さん自身に余裕がなければ、聴いてあげて、わかってあげることができません。

 この余裕とは、心の余裕です。時間やお金の余裕ではなく、自ら心の余裕をマネジメントできないといけません。