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娘のため、良かれと思ってアドバイスしたのに、ますます溝が深まってしまった……。このように思い悩む父親は多い。しかし、娘というのは「理解」を求める生き物。父親ができることは、常に機嫌良くいながら娘の言うことに耳を傾けることだけなのだ――。メンタルコーチで産業医のスポーツドクターが「娘に嫌われない方法」を伝授する。本稿は、辻秀一『メンタルドクターが教える 個性を輝かせる子育て、つぶす子育て』(フォレスト出版)の一部を抜粋・編集したものです。

娘に嫌われたくない父親が
肝に銘じておくべきこと

 すべてのお父さんは娘に嫌われたくないと思っているでしょう。私が次女の愛沙子と仲良しなのを多くの人が知っているので、よくこの質問をいただきます。

「娘に嫌われないようにするにはどうしたらいいですか?」

「娘に嫌われない方法を教えてください」

 などなど。

 私もそんな魔法は知りませんが、人間の仕組みを理解していると、そのリスクを軽減できるのではないかと断言できます。

 娘との関係で知らないといけない仕組みこそ、「わかってほしい」という要求です。娘は特に感情をわかってほしいという思いが強い生き物です。

 例えば、娘が何かを決めようと悩んで相談してきたとき、大切なのは、正解の選択肢の提案ではなく、悩んでいることへの理解なのです。

 感情は、理路整然と説明しにくいものです。説明するのも簡単ではなりません。成長とともに認知的な脳が形成されていき、それに伴い、感情形成も豊かになります。

 しかしながら、自分の感情をマネジメントできる非認知的スキルは、まだまだ育まれていないのが娘でもあります。

 親の役割は、たくさんの感情が生じる娘の感情を引き出し、ただただわかってあげる存在になることなのです。