加藤 結構ありまして、以前、囲碁の趙治勲さんと一緒に番組に出て、僕が趙さんに碁を教えてもらい、趙さんが僕に将棋をならうということをやりました。趙治勲さんは本当は将棋がものすごく強いんですよ。実力から言ったら、プロに飛車角落ちで絶対に勝てるぐらい強い。
でも、趙さんはどうしても勝ちたいらしくて、戦う前に僕に言うんですよ。「加藤さん、あなたが私に勝負で負けてくれたら、私も囲碁のほうはちゃんと負けるから」って。でも、実際に将棋を指してみたら、飛車角落ちで、本当に実力で負かされた。
それで、囲碁のほうは趙治勲さんが七目で打ってくれたの。本当は囲碁の手合いでは、星目風鈴というのが正当なハンデの付け方だけど、趙治勲さんにはあえて七目で打ってもらって、約束どおり趙治勲さんが僕に勝ちを譲ってくれました。
それと、別のある囲碁の棋士から言われたのは、加藤さん、強くなるには4、5人の有力な研究会に入れてもらって、そこで研究するのがいちばん身になるよ、ということでしたね。