「なんで会社が動かなくちゃいけないんですか」
コンプライアンス部担当者からのあきれた回答
支店長に報告した後、コンプライアンス部に電話し、状況を説明する。
「これは個人攻撃です。誹謗中傷だし、警察に訴えるべきだと思います。防犯カメラの映像と、受け付けた書類から本人を割り出して…」
「課長、無駄ですよ」
「えっ?」
「攻撃した相手は、どちらかというと個人に怒りの矛先があるじゃないですか。だったら、なんで会社が動かなくちゃいけないんですかね。その行員個人が警察に行けばいいんじゃないですか?」
「彼女は勤務中にこんな目に遭ったわけですから、会社が守ってあげなくてどうするんですか」
「3時間はオーバーだとしても、待たせて怒らせたのは事実なんだから、目黒課長も反省しないと…」
「銀行は動かないと言いたいわけですね」
「ほら、そうやって私に突きつけてくる。私にだって決める権限などありませんよ。どうするかは支店で判断して下さい。その行員がメンタル不調になったなら人事部、SNSに削除要請するなら広報部、警察対応であれば、そうですねえ…」
他の部署に対応を押し付ける始末。コンプライアンス部に電話したことを後悔した。こういう人間が本部部署の責任ある地位にいるうちは、この銀行に未来はない。