また感覚的なところでいえば、血統や過去のレースの勝敗など、どれくらい競馬の背景を深く知っているかで楽しみ方が変わります。これもまた視座の違いといえると思います。
『進撃の巨人』に着想を得て
生まれた「進撃の有馬記念」
このように同じ競馬場で馬を見るとしても、「視点」「視野」「視座」が変わるだけで、見える世界はまったく別のものに変わります。
堤 藤成 著
僕自身、最初は競馬を何も知らない状態でしたが、広告の仕事でプロモーションを担当した際に、競馬についていろいろ深く知っていくことで、幅広い楽しみ方ができるようになりました。
例えば、東京競馬場のメインスタンドの高さは、約50メートル。これは人気漫画の『進撃の巨人』(諫山創、講談社)でいえば、超大型巨人のサイズとほぼ一緒だということから、「進撃の有馬記念」という企画になりました。
また、数々の伝説を残したディープインパクトを「競馬界の織田信長」とするならば、唯一ディープインパクトを破ったハーツクライは「競馬界の明智光秀」と呼べるのではないかという着想は、人気ゲームタイトル『戦国無双』とコラボした「ダービー無双」という企画になりました。
このように視点を変えて、視野を広げ、視座を上げ下げすることで、物事の見方はどれだけでも変えられるのです。