これがまず「紡ぐこと」の価値です。その瞬間には何でもなくとも、大人になって自分の記憶を呼び起こすための装置。そんなタイムマシンを日々制作しているということです。

 今のあなたの気持ちは、きっと10年後の自分には書けません。大体こんな感じだったなとは考えられても、本当にリアルな気持ちは今を生きるあなた自身にしか書けないのです。

 だからこそ僕は、自分が紡いできたものを探してみることをお勧めしたいと思います。もし実家から離れて住んでいてすぐに昔書いたものに触れられない場合は、自分のスマホに残ったメールやチャットのやり取りを見返すのもいいでしょう。

 もしくは、SNSをされている方は、自分が過去にアップした一番昔の投稿を見返してみることでもいい。きっと、うわぁ、こんなこと書いていたのか、と恥ずかしい気持ちになるでしょう。

視点、視野、視座とは
見る方向、範囲、高さの違い

 でもそれは裏を返せば、自分がそれだけ成長し、視野が広がり、視座が上がったということなのかもしれません。

 ここで、視点と視野と視座という話をします。

「視点」とは、自分がどの方向から見るか、ということです。

「視野」とは、自分がどれだけの範囲を見られるか、ということです。

「視座」とは、自分がどの高さから見るか、ということです。