親は娘を手放したくない
娘の進路選択に介入する親

 実際に、地元を離れて首都圏の大学に進学した私たちの周囲には、それ以上の大学を目指すだけの実力があるにもかかわらず、「実家から近いから」というだけの理由で志望校を決める同級生がたくさんいました。

 もちろん、中には実家にいたいからと自発的に実家暮らしを選んだ同級生もいますが、多くは周囲や保護者の影響を受けてそのような意思決定に至っていたように思います。

 川崎の地元には特に「地元に残った方が良い」という圧力や空気感が漂っていました。

 進学先が東京大学に決まった時、「東京で1人暮らしなんて、親御さん心配するでしょう?」「男の子はいいけど、女の子は心配よね」と言われたこと。

 同級生が、「本当は東京の大学に行きたいけれど、親が反対するから地元の大学に行こうかな」「1人暮らしするにしても、できるだけ実家に近い大学に行く。その方が親も安心するから」と言っていたこと。

 そのような1つ1つの経験から、保護者は娘を親元から離したくない傾向にあるのではないかと考えました。