福岡県における性犯罪事例を見ると、性犯罪の発生場所のうち、1人暮らしであることによってリスクが上がると考えられる「自宅内被害」は全体の9.14%に過ぎません。そもそも性犯罪の75%が屋外で起こっており、1番多いのは路上での被害です。
つまり、性犯罪被害を防ぎたいのであれば、「1人暮らしをさせない」よりもむしろ「通学距離を短くする」「大学の近くに住まわせる」ことの方が有効だと考えられます。
1人暮らしをしないために実家から2~3時間かけて通学したり、最寄り駅から遠い場所に住んだりすることの方がむしろ危険といえるでしょう。
「1人暮らし女性は窓や鍵、洗濯物などに気をつけるべきだ」といった防犯情報によって、1人暮らしの女性が自宅内で被害に遭う可能性が1番高いかのように捉えられがちですが、データを見る限りではそうではない、という点に留意しながら判断していただきたいと思います。
子供を守りたい親の心は
束縛とたいして変わらない
さて、犯罪被害への不安の他に、もう1つ保護者が女子学生に地元に残ることを期待する理由として考えられるのが、子どもが自分の管理下を離れること、「目が届かなくなること」への忌避感です。