女子学生は男子学生よりも
地元に残ることを求められる

 その傾向を明らかにするため、「保護者の方から、できるだけ実家に近い大学に行くことを期待されていると思うか」という設問を設定し、5件法で回答してもらい、地方女子/地方男子で平均値を比較しました。

 結果、保護者の方から実家に近い大学に行くことを期待される度合いについて、地方女子は地方男子に比べて有意に高いことがわかりました。「女子学生は男子学生に比べて、地元に残ることを強く求められる」という私たちの仮説は正しかったということです。

 さらに保護者の方から実家に近い大学に進学することを期待される度合いと、大学選びの時に「実家に近いこと」をどれほど重視するかの関係を調べると、保護者から実家に近い大学に行くことを期待されていると強く感じていればいるほど、志望大学を決める時に「実家に近いこと」をより重視するという結果が出ました。

 このように、保護者から強い期待を受けた女子学生が(意識下・無意識下によらず)地元の大学を志望校に選び、本当は目指せたかもしれない無数の大学を選択肢に入れないまま受験に至るケースは、地方の家庭で今、あたりまえに起きていることです。