男性が老化する原因は
男性ホルモンの減少にあり

和田:なぜそこまで男女の老け込みに違いがあるのか。これはひとつは自然の摂理でもあります。男性は40代、50代と経て次第に男性ホルモンが減少してくるのです。私が行っているアンチエイジングの治療のなかでも、いちばん人気があるのはこの男性ホルモンに関する治療です。リピート率が最も高い治療ですね。

 男性ホルモンは減ってくるとどうなるかというと、まず意欲が落ちてきます。性欲とか特定の欲ではなくて、意欲全体がなくなってきてしまう。また、これは男性に限らず、女性にも関係してきますが、男性ホルモンの減少は異性への関心も減退させます。

 ただ単に異性への関心が減るならば、不倫・浮気の心配もなくなって夫婦円満によいかもしれませんが、もっと言うと、異性・同性問わず、人間関係そのものがうっとうしくなってきてしまって、人付き合いをしなくなる人が増えてくるのです。とくに男性の場合が顕著ですね。

 意欲がなく、人付き合いも億劫になると、結局、家のなかにこもりがちになる。退職していつも家にいて、話す相手といえば長年連れ添った妻だけ。それで「ぬれ落ち葉」なんて言われてしまうわけです。