和田:すると、みるみるうちに筋肉がよみがえってきて、とうとう80歳でエベレスト登頂できるまでになった。「元気のためにはテストステロン(男性ホルモン)」というのが熊本先生の自説だったのです。

中尾:そうでしたか。では、男性ホルモンを打てばいいのですね。

書影『60代から女は好き勝手くらいがちょうどいい』(宝島社)『60代から女は好き勝手くらいがちょうどいい』(宝島社)
中尾ミエ・和田秀樹 著

和田:ええ。ただ、女性は打ちすぎちゃうと男性化してしまいます。私はわけのわからない健康診断で、血糖値だのコレステロール値だのを測って気にするよりも、男性ホルモンの不足を診断したほうがいいと思っています。

 男性ホルモンが足りない人には、それを補ってあげれば、要介護になるような人は減るわけですね。意欲が出てくるうえに筋肉がついて体力が増すわけですから、よぼよぼの年寄りが減ることになる。女性も量によりますけれども、適度に男性ホルモンを足すとよいようです。

中尾:その男性ホルモンの治療というのは、比較的簡単な治療法なんですか。

和田:ええ、簡単なものですよ。