都の玄関口「京都駅」
最後は、もちろん最初に訪れてもいいのですが、近鉄や地下鉄、東海道新幹線の他にJR各線が集まる京都の玄関口「京都駅」へ。この場所も、南は九条大路まであった平安京のエリア内です。
1877(明治10)年開業時にできた赤れんがの洋風建築の初代、1914(大正3)年竣工の2代目は総ひのき造りのルネサンス建築でした。3代目焼失後の52(昭和27)年には鉄筋コンクリート造りの3代目となり、現在の4代目駅舎は97(平成9)年と、元号に合わせるかのように、時代時代のモダンを更新してきました。
東西約470m、地上16階地下3階建て(最高部約60m)と巨大な4代目駅舎「京都駅ビル」を手掛けた建築家は、後に東京大学名誉教授となった原広司。93年に「空中庭園」で有名な梅田スカイビル、2001年には札幌ドームも手掛けています。地上45mで東西をつなぐ全長185mの「空中径路」は、清水寺など京都市街を見渡すことができる隠れ絶景スポットで、無料の望遠鏡もありますので、忘れずに足を延ばしてみてください。
駅ビル最大の見どころは、巨大な吹き抜け空間である北側の中央コンコース。谷から段々の丘が高低差35mの大階段(171段)で表現され、季節ごとにテーマが変わる18時開始の光と音楽のイルミネーションも。天井には4000枚のガラスの大屋根を冠しています。冬の吹雪の時にはガラス屋根の落下などの困難に見舞われながらもがんばっています。
烏丸通と室町通側にそれぞれ門を配し、ガラスと金属で天井を格子状にしているのは、「京都は歴史への門である」というコンセプトにより、平安京の特徴である碁盤の目をイメージしているからです。
「古都の玄関口らしくないんちゃう?」の一方で、「国際都市にふさわしい新しさ!」など、竣工当時は賛否両論が巻き起こりました。それから27年が経過する間に、「JR京都駅ビル大階段駈け上がり大会」や、東京ディズニーランドのクリスマスツリーより7mも高い巨大ツリーなど、恒例のイベントも定着しています。
駅ビルの烏丸通門の前に立つ地上131mの「京都タワー」は、京都市内で一番高い建物。東海道新幹線開通後の1964(昭和39)年12月28日開業なので、もうすぐ還暦を迎える現代建築ですね。京ろうそくを模したといわれる塔は鉄骨ではなく、特殊鋼板をつなぎ合わせた構造だとか。地上100mにある展望台からの眺望も、一度は体験しておきたいものです。
◆参考資料◆
各施設の公式ホームページ
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THEKYOTO(京都新聞)
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