時代祭時代祭の平安時代婦人列では清少納言と紫式部の姿も 写真提供:京都市観光協会

市内だけでも2000近い神社仏閣がある京都では、1年を通していつもどこかでさまざまなお祭りが執り行われています。京都の秋祭りは、10月22日に注目です。同時期に公開される「道長の字」や相国寺の特別拝観もお見逃しなく!(らくたび、ダイヤモンド・ライフ編集部)

京都復活を象徴する「時代祭」

 毎年10月22日は京都三大祭りの一つ、「時代祭」が行われます。雨天の際には翌日に順延となり、その日も雨の場合は中止となります。行列の途中に降り出した場合はそのまま続けられます。今のところ天気予報では、前日までぐずついたお天気ですが、どうなるか。

 この十数年を振り返ると、2011年は雨天のため翌日に、19年には令和の即位礼と重複するため26日にそれぞれ順延されました。17年は台風21号の接近、20年と21年は新型コロナウイルス感染拡大により中止されています。

 春5月の「葵祭」、夏7月の「祇園祭」、そして秋10月の「時代祭」。葵祭は、平安京遷都よりはるか前の1500年前に始まったと伝えられ、祇園祭は1155年前の平安時代が起源。この二つの祭りは千年を超えて(!)今に続く歴史を誇ります。

 その点、時代祭が始まったのは1895(明治28)年。今から129年前のことです。この年は平安京遷都から1100年の節目。10月22日は平安京遷都の日、すなわち京の都の誕生日に当たります。

 当時は水田と畑が広がっていた岡崎の地で、この年、第4回内国勧業博覧会が開かれることになり、平安京を開いた第50代桓武天皇を祭神として平安神宮も同時に創建されました。創建から45年後に、平安京最後の第121代孝明天皇が合祀(ごうし)されます。

 博覧会の開催に合わせて、会場につながる京都電気鉄道も開業、これが後に京都市電の一部となります。明治天皇が東京に移られてから、天皇不在となった京都。平安神宮とその奉祝行事として始まった時代祭は、千年の都である京都復活に向けた一大ムーブメントでもあったわけです。

 22日正午のスタート地点である京都御苑、中間地点となる御池通、ゴールである平安神宮前の神宮道の3カ所に、公式パンフレットと観覧記念符付きの有料観覧席が設けられます。行列が通る何時間も前から場所取りで苦労することもなく、全席指定の椅子に座ってゆったり見られますのでおすすめです。