満開紅葉シーズンのピークはまだ少し先になります。ベストのタイミングで宿も押さえるため事前情報を集めて作戦を練りましょう

二十四節気では、草木に露が光る「寒露(かんろ)」から「霜降」に切り替わるこの時期、10月下旬からぐっと朝晩の冷え込みが実感できるはずです。秋の深まりで気になるのは、紅葉のこと。京都の紅葉狩りの王道・定番から、2024年旬のスポットまで、カフェ&おやつ情報も交えてご案内いたしましょう。(らくたび、ダイヤモンド・ライフ編集部)

2024年紅葉劇場の幕開け

 今回で28回目となるこの連載、これまで京都の自然に触れる記事の中で一番多く読まれたのは第9回「青もみじ」でした。初夏からの京都の楽しみとしてすっかり定着していますが、やはり秋の紅葉はその年の締めくくりに欠かせません。お待たせいたしました。今回はたっぷりと、京都の紅葉についてご案内いたします。

 桜前線は南から北上していきますが、紅葉の見頃は北から徐々に南下してきます。関東の名所の一つである日光は、10月中旬でもまだ少し色づいた程度。見頃はいつになるのか、東武鉄道の各駅では紅葉情報が日々更新されています。

 例年、京都の紅葉は11月上旬から始まり、12月上旬まで楽しむことができます。見頃の時期が遅れた年には、名残の紅葉と純白の雪との共演が見られたこともありました。まずは山間部から色づき始めます。そして、山麓に至り、街中へとリレーのように紅葉のバトンをつないでいきます。桜は見頃が1週間あるかないかのはかなさであるのに対して、紅葉は色づき始めてから舞い落ちた葉が地面を染める“散りもみじ”まで、1カ月以上楽しめるのが良いところです。

 葉が美しく色づくためには、「温度・湿度・日照」の三つが重要になります。紅葉シーズンが始まるまでにしっかりと太陽の光を浴びた葉は、一日の最低気温が8℃以下になると色づき始め、5~6℃より下がると、さらに色合いが深まっていくそうです。また、昼夜の気温差の大きさが、紅葉の鮮やかさを左右するとも。

 温暖化の影響か、気温が高い日が続き雨も少なかった年には、色づき始める前に潤いが失われ、クシャクシャに枯れて散った葉が多く見られました。24年の京都は観測史上最も暑い夏。雨も例年に比べて少ないので心配ですが、色づきに重要な「温度・湿度・日照」の三つの条件を満たす「渓谷」には期待できるかもしれません。