坂爪 厚生労働省に提言をしたことはありますが、その時は「現場の理解が得られないのではないか」という理由で話を進めることができませんでした。しかし、将来的には介護保険などの保険が使えるようにして、日常生活に必要不可欠なサービスとして定着させたいと考えています。
大川 ホワイトハンズのサービスは全国どこにいても受けられるのでしょうか。
坂爪 はい。ただ、利用者さんには基礎疾患をお持ちの方も多いため、コロナ禍の今は要望があってもなかなか訪問することが難しくなっています。
大川 むしろコロナ禍で行動制限がある時のほうが性的欲求は高まる気がします。
坂爪 その通りです。コロナ禍で外出できないなどのストレスが溜まる一方で、射精を自由にしたいと思う方がたくさんいらっしゃいました。ニーズはすごく高まっているのに、今は思うように動けていません。そこは悩ましく申し訳ない気持ちですが、今後は感染リスクに気をつけながら徐々に再開していきたいと考えています。
障害者の性欲までもケアする
必要があるのか?誰がやるのか?
大川 そもそも坂爪さんは何をきっかけにホワイトハンズを始められたのでしょうか。
坂爪 大学時代にジェンダーを研究するゼミ(注4)に入ったことが大きなきっかけでした。東京には性風俗のお店がたくさん存在していたので、それを研究してみようと考えたんです。