部下への助言も
度を越せば老害に
結果から見れば、「上司の言うことを素直に聞いておけば……」と思う人も多いかもしれません。ただ、もし上司の言う通りにしてその企画が通ったとしても、若手社員はきっと浮かない顔をしていたでしょう。上司の手垢が少しでもついてしまった瞬間、それは純粋な自分の企画ではなくなり「自分の原案をベースとした上司の企画」になってしまうからです。
もし、若手社員の方から上司に「今度の企画会議で自分の企画を絶対に通したいので、直すべきところがないか見てください」と言ったのなら、上司が直したほうが良いポイントを指摘し、部下も素直に従い、「上司にサポートしてもらった自分の企画書」として提出することでしょう。そしてその企画が通っても通らなくても上司に会議後「相談に乗って頂きありがとうございました」と感謝するはずです。
上司に助言を求めないのは、「力不足かもしれないけれど、自分の力だけでやってみたい」という意思表示です。上司なら部下の企画を通したいと思うことでしょう。そしてアドバイスをする力量が自分にあれば、部下が拒否してもついお節介を焼きたくなります。
しかしその気持ちが度を越してしまい「どうして好意を素直に受け取らないんだ!」と激昂してしまうと「部下の企画書に必ず自分のつばをつけたがる上司」と誤解され、老害扱いされてしまう危険性もあります。