あらゆることをカバーする
熱心なベテラン事務員
あるベテラン事務員さんの話です。その方は事務処理の担当者として入社をしたのですが、長年働いていくうちに、ありとあらゆるさまざまな雑用(散乱する傘立てや給湯室のマグカップを整理したり、植物の水やりをしたり、空になったウォーターサーバーの水を交換したりといった、誰でもできることなのに、多くの人が見て見ぬふりをしてしまう仕事です)を請け負うようになっていました。
雑用に対しても報酬が支払われていればいいのですが、ご本人もサービス精神が旺盛なのでボランティアでそれらの雑用をやっていました。
ある日、新人の事務員さんが入社してきました。その人は、雇用契約通り事務処理だけをやっていましたが、周囲の人達から、「ベテラン事務員さんのように雑用もやって欲しい」と次第に雑用をお願いされるようになっていきました。
初めは入社したばかりなので断れず言われるがまま雑用をしていましたが、ある日「私は雑用分の報酬をもらっていませんし、ベテラン事務員さんが好きで雑用をやっているのはいいのですが、私は事務処理担当として入社したので、事務処理に専念させてほしい」と会社に言いました。