確かに、イーロン・マスクがいうように、日本の出生数と死亡数は、2005年以降、死亡者が出生数を上回り(図2-2)、両者の回帰直線の勾配(絶対値)は、死亡数が出生数より、1.5倍も急だ(死亡19.4、出生12.9)。これでは、本当に日本の将来が心配になる。

図表1:1990年から2021年までの出生数と死亡数の推移同書より転載
拡大画像表示

 そもそも、若い人が結婚をしないのだ。図2-3に見るように、この35年間、生涯未婚率(50歳までに結婚しない人)は、直線的に増加している。「女子会」よりも「男子会」の方が10%は高く、両者の直線は平行して上昇している。

図表2:生涯未婚率の推移同書より転載
拡大画像表示

 このままでいくと、100年ちょっと後の2130年には男性の生涯未婚率が100%になる。イーロン・マスクはなんというだろう。アラサー世代の意見も聞きたいものだ。

 国立社会保障・人口問題研究所によると、日本人はあと1000年もたたないうちに消えてしまう。日本は「絶滅危惧国」なのだ(表2-2)。

 日本人がいなくなれば、日本語も日本文化も滅びてしまう。日本が消えるのは、日本だけの問題だけではない。イーロン・マスクのいうように、世界にとっても失うものが大きすぎる。

2020年の出生率と死亡率が続いたときの人口の減少予想同書より転載
拡大画像表示