資さんうどんの看板商品は
「牛丼」を連想させる

 では、資さんうどんはどうでしょう。同じ基準で考察すれば、資さんうどんの場合、おでんやとろろ昆布やぼた餅のことはそれほど真剣に心配しなくてもいいでしょう。

 基本視点として、主力メニューの「肉ごぼ天うどん」が東京でもヒットするかどうかだけを考えれば進出できるかどうかの判断ができます。

資さんうどん通が「うどんの前」に真っ先に食べるメニューとは?看板商品の「肉ごぼ天うどん」770円(税込) 写真:資さん2024年9月27日 プレスリリース

 その意味では、あの割りばしほどのサイズのごぼうの天ぷらが5本入っているという独自スタイルは、資さんうどんのスペシャリテとして関東の食通にも驚きをもって受け入れられるでしょう。衣は香ばしく、中身のごぼうは柔らかくて美味しいのです。

 そして玉ねぎとともに甘く煮込んだ牛肉は、牛丼を食べ慣れた世代には自然に受け入れられるトッピングです。さらにうどんつゆは関東で普通に食べるどこか懐かしい味付けです。

 実はすかいらーくグループで独自にこのうどんつゆを化学分析したところ、人気のラーメン店とうま味成分が同じだという分析結果が出たそうです。つまり、つゆも私たちが食べなれた味。

 ということは一番の主力メニューは北九州ローカルではなく、東日本で販売しても美味しいと関東ローカルの消費者が感じる料理にもともとなっているのです。