コミックスは子どもだけのものではないことを、彼らの作品が証明していた。マイケル・キートンとジャック・ニコルソンが主演し、ティム・バートン監督がポップ・ゴシック様式で描いた1989年の映画『バットマン』は、その年世界で最も稼いだ映画となり、さらに玩具からビーチ・タオル、そしてプリンスによるサントラ・アルバム(『Batman』)に至るまで、無限のタイ・イン商品をファンたちに消費させた。

 1991年には、バットマンが初登場した1939年発売のコミックス「ディテクティヴ・コミックス」27号が1冊競売に出され、5万5000ドルで競り落とされた。ニューヨーク・タイムズ紙は競りを扱った記事の見出しに〔ロビンの台詞をパロディして〕「びっくり仰天、記録破り!(Holy Record Breaker!)」と書いた。

「コミックス市場は買いです。これから急成長すると思います」と「ディテクティヴ・コミックス」27号を競り落としたハロルド・D・アンダーソンは語った。

ニール・ゲイマンが警告した
「コミックス投資バブルの危機」

 小説家ニール・ゲイマンは、テレビ・ドラマ『グッド・オーメンズ』の原作者兼ショーランナー、そして神秘的なコミックス『サンドマン』(DC・ヴァーティゴ刊)の原作者としても知られるが、彼はアンダーソンには同意していない。