多数派の反ジャニ世論を前にして
コアファンが折れなかったワケ
ここで注目したい点は、ファン1は問題の渦中にあっても、ジャニーズ事務所を擁護するというマイノリティの意見を有していたということです。多数派となったジャニーズ事務所の糾弾という現象の中で、彼らだけがジャニーズ事務所を擁護していたのです。
この点で彼らはいわゆるハードコア層としてジャニーズ問題に加わっていたことになります。ハードコア層とは、沈黙のらせん理論(編集部注/少数派意見の自覚がある人が、孤立や批判を恐れ自分の意見を表明しづらくなること)の提唱とともに発見された人々で、たとえ少数派であってもかたくなに自分たちの意見を表明しようとするグループのことをいいます。
今回のファン1には、次のような特性があったと考えられます。
第1に、エコーチェンバー現象で同じ意見を持つ仲間とともに意見表明を行っていたため、孤立への恐怖を免れていたということ。第2に、仮に孤立を認識していたとしても、ジャニーズ事務所への強い愛着が強い態度の確信度を形成し、世論と異なる意見表明を行うことに抵抗がなかったということ。
実際に、態度の確信度が強い人は、沈黙のらせん理論の影響を受けにくいことを実証した研究もあります。