教育で大切なのは、学生や子どもが潜在的に持っている興味や関心を引き出すことです。
先生が「試験に出すから、覚えておくこと」といえば、学生は嫌々ながらしかたなく勉強をする。ですが、試験が終わって単位が取れたとたんに、すぐ忘れてしまいます。
興味のないことは、覚えにくく、すぐに忘れますが、興味のあることは、覚えやすく、なかなか忘れません。それが人間の頭の構造なのです。
僕自身がそうでした。学生時代の僕は本ばかり読んでいて、勉強はほとんどしなかったので、成績も悪く、どちらかといえば劣等生でした。
僕は好き嫌いが激しくて、おもしろくない講義は出席もせず、興味深い授業だけ聴いていました。好きな科目は「優」をもらいましたが、おもしろくない講義は、「良」と「可」ばかり。落第さえしなければいいと思っていたので、おもしろくない講義には身が入らなかったのです。
興味がない人に対して教える方法はありません。逆にいえば、その人が興味をもったこと、勉強したいと思ったことを、興味をもったときに教えるのが、一番効果的なのです。