組み体操を「やめられない」
非科学的な社会

 欧米において組み体操は、体が柔らかく、運動神経抜群のプロの集団であるサーカスの芸のひとつです。成長期の子どもに強制するものではありません。「チームワークが養成できる」とか「伝統だ」と組み体操を肯定する教育者も一部いますが、組み体操には、科学的にも、医学的にも、子どもにやらせていいという合理的な根拠は一切認められません。

 それなのに「やめられない」としたら、なんという非科学的な社会でしょう。僕に小中学生の子どもがいて学校が組み体操を強制するなら、僕は迷わず転校させると思います。一事が万事で、そのような学校でまともな教育が受けられるとはとうてい思えないからです。

 また一部には、「子どものうちに英語を教えると考える力がつかない」という意見を述べる人もいますが、これも根拠なき精神論の一種です。そう思うのなら、エビデンスを明示すべきです。

 最新の脳科学では、母国語をつかさどる部位と第2言語をつかさどる部位は違っているという意見もあります。国語・算数・理科・社会の主要4科目に英語を加えても、考える力の妨げにはならないことは常識でもわかる気がします。