かく言う私も、そういう言葉を浴びながら研究を続けてきました。そうした諫言をしてくれる人の多くは、純粋な良心でそう言ってくれています。

 しかし、中には少し腹が立つ言い方をする人もいるのです。ある時、先輩から「君がどれだけ頑張っても絶対に無理だから諦めろ」と言われたことがあります。私はその言葉からはっきりと悪意を感じ、怒りがこみ上げてきました。

 喧嘩こそしませんでしたが、その先輩からは距離を取り、絶対に彼を見返してやると心に誓ったことを覚えています。

「ざまあみろ」と叫んだことで
嫌味の呪縛から解放された

 色々な幸運が重なって、私は無事に就職することができました。しかしそのとき、その先輩はまだ就職できないままでした。私は心のなかで「ざまあみろ」と叫びました。それでようやく、先輩から言われた嫌味の呪縛から、解放されたように感じたのです。

 私は、できることなら、その先輩と直接対峙し、「ざまあみろ」と言ってあげたかったです。きっと先輩は、苦虫を噛み潰した顔で、「ぐぬぬ」と言ったでしょう。その表情をぜひ見たかった。