最盛期480店舗から激減
サブウェイの再起はあり得るのか
サブウェイはアメリカではマクドナルドと並ぶ店舗数を誇り、全世界での店舗数は2018年頃までマクドナルドよりも多かった。しかし日本での人気はといえば、熱烈な支持者はいるとはいえ、今ひとつという印象だ。国内で最も店舗数が多かったのは2014年で約480店舗。ここからの10年で、300店舗以上減少している。2018年には、1991年の国内展開開始以降、経営を行っていたサントリーホールディングスが撤退している。
サブウェイとしても、これ以上の店舗減に歯止めをかけたい意図があったことは想像に難くない。ここからは消費者目線で、サブウェイが日本で伸び悩んだ理由と、今後の展開における予想をしたい。
「冷たい」サンドイッチへの
日本人消費者の冷めた目線
これは以前から言われていることだが、サンドイッチの質感自体が、そもそも日本人好みではない。日本人の愛するおにぎりからもわかるとおり、日本では温かくしっとりしている食べ物が好まれやすく、冷たくてパサパサしたサンドイッチはそもそも分が悪い。
パン屋で人気のサンドイッチは、食パンの耳を切り落とした形状のものが多く、これは比較的しっとり感があるのだが、サブウェイのようなやや固めのパンを使ったサンドイッチは、若干のハードルがある。しかしパンを柔らかめにしてしまうと、今度は野菜やソースの水分でパン生地がふやけてしまい、食べ応えが良くない。ここに難しさがある。
もちろん、サブウェイではパンを温めるサービスもあるのだが、人々の頭の中に何となくある「冷たい」「固い」「パサパサ」というイメージは強固である。
競合店にはない強み
野菜の存在感をもう一度
この日本人にとってマイナスにはなれどプラスにはなりづらい「冷たい」イメージを乗り越えるためには、やはり野菜の存在感を打ち出すことが必要だろう。「冷たい」ではなく、「冷たいけれど、野菜が食べられるからアリ」の人を獲得していくのである。サブウェイのブランドイメージである「野菜をおいしく食べられる」は、日本国内のファーストフード店では他にフレッシュネスバーガーぐらいだ。