また、家具屋で製造小売りをやっているのはニトリだけで、ほかの家具屋は卸から家具を買って店頭に並べているだけです。ニトリはインドネシアに自社工場を持っていましたし、中国ではメーカーの中に入り込んで家具製造の指導もしていました。
私はニトリには競争力があり、市場の構造からしてシェア拡大のチャンスが大きいと思ったのです。
ホールドしていれば100倍になる株を
10倍の時に売却するのがわれわれの流儀
すぐに北海道拓殖銀行が持っている株を買おうと思いました。すると、大半の売り先はもう決まっているが、残り20万株なら出せると。私はチャンスだと思って言いました。
「その20万株、全部ください」
K1ファンド(編集部注/著者が設立した、タワー投資顧問の旗艦ファンド。日本株のロング・ショート運用を行う)は6億円からスタートしました。K1ファンドでは、一銘柄でNAV(編集部注/Net Asset Value:投資信託の純資産総額のこと)の25%を超えてはいけない(短期的に超えるのはかまわないのですが)というファンドの規約があります。ニトリは株価750円ぐらいだったので20万株で1.5億円、ちょうど25%になります。偶然にしてはちょっと出来過ぎですよねえ。不思議な縁です。