似鳥社長の言葉で印象に残っているのがこの言葉です。

「これだ、っていう優秀なやつ見つけたら、どこまでも追いかけて絶対にうちで働いてもらう。それが社長の仕事だ」

 私はこの会社は伸び続けると確信しました。でも、似鳥社長は投資家に会うのが大嫌い。決算説明会も開いたことがない有様です。

書影『わが投資術 市場は誰に微笑むか』(講談社)『わが投資術 市場は誰に微笑むか』(講談社)
清原達郎 著

 なぜ嫌いかと言えば、「業績が伸びてから株価がついてくればいいわけで期待とかで株価が上がってほしくない。期待で先に株価が上がると株価にあおられている感じになって気分が悪い」のだそうです。

 でも、大株主の私としてはそれで納得するわけにはいきません。私は懇意にしているアナリストと相談して何とか決算説明会を開かせようと粘り強く説得しました。

 何とか開いてもらったのはいいのですが、正直な方なのでひやひやもんでしたねえ。「うちの会社は顧客のクレームが多く、クレームをいちいちここで紹介してたら切りがない。だから、めったにないお客様のお褒めの言葉だけをここで披露させていただきます」とか言うのですよ。

 そして最後には、「今度はいつ説明会を開いてもらえるんですか?」という投資家の質問に「これが最後です」と。これには面食らいましたねえ。