この点について、NEXCO東日本はSAを「人とクルマが必要としているサービスを提供できる休憩施設」、PAを「ドライバーの疲れや緊張をとるためのサービスを提供している休憩施設」としています。つまり、ガソリンスタンドはクルマが必要としているサービスなのでSAに、トイレは人が必要としているサービスなので、SA/PAの双方に用意しているというわけです。

 ただし実際には、レストラン、ガソリンスタンド、売店などの施設は利用状況に応じて設置するとしており、提供しているサービスの内容でSAとPAを区別することは難しいのが現状です。

SAは50km間隔で設置、ではPAは?

 ただ設置間隔については、基本的にはどちらも「人が休憩する」という安全運転の根本を支える施設であることから、SAは50km間隔に一つ、PAはおおむね15km間隔に一つが目安になるとしています。これらは高速道路の建設時に計画、設置されますが、その後の利用状況で規模が拡大したり、サービスが変更されたりといったことがあっても、呼び名がSAからPA、PAからSAに変わることはないとのことです。

PAは15km間隔、SAは50km間隔が目安PAは15km間隔、SAは50km間隔が目安。ただし東京外環道、圏央道のように都市圏を走る高速道路ではそれ以上に距離が開くところも珍しくない 出所:NEXCO東日本 拡大画像表示

変わった名前のSAやPAが増えている理由

 さて、こうしたSA/PAのなかで、近年「Pasar(パサール)」「NEOPASA(ネオパーサ)」「EXPASA(エクスパーサ)」「PAVARIE(パヴァリエ)」「モテナス」といった冠名が付けられたものを目にすることがあります。

 これらはそもそものSA/PA設置の目的であった「高速道路を使う人やクルマのニーズを満たす」というところから一歩進んで、SA/PAに立ち寄ることそのものがドライブの目的となるような、次世代のSA/PAとして誕生したものです。

 Pasarは、NEXCO東日本エリアの高速道路に展開される施設で、パーキングエリアの「PA」、サービスエリアの「SA」、リラクゼーションの頭文字の「R」を組み合わせたもので、インドネシア語の「市場」、スペイン語の「立ち寄る」「(時を)過ごす」を意味します。

 現在、東北道・蓮田SA(上り)、同・羽生PA(下り)、京葉道・幕張PA(上り/下り)、関越道・三芳PA(上り)、常磐道・守谷PA(上り/下り)にPasarが設置されています。中でも蓮田SA(上り)のPasar蓮田は、飲食店が10店舗以上、精肉や鮮魚を扱う物販店まであるという、NEXCO東日本エリア最大規模のSAとなっています。

NEXCO東日本の次世代型SA/PA「Pasar」NEXCO東日本の次世代型SA/PA「Pasar」は、東京周縁部のSA/PAに設置されている。一部は上り線もしくは下り線のみの設置なので注意 出所:NEXCO東日本 拡大画像表示