こたつで寝転ぶ女性写真はイメージです Photo:PIXTA

昔からある「大学に行けば選択肢が広がる」という言葉。しかし、奨学金という名の“借金”を払うことになってしまったら、それこそ本末転倒。金を返すことに縛られ、選択肢は狭まるばかりになってしまう。これは「ご主人様」が仕掛けた罠なのだ――。高校3年生の時に不登校になり、以降「ひきこもり」となった著者が本質をつく。本稿は、勝山 実『自立からの卒業』(現代書館)の一部を抜粋・編集したものです。

「子ども部屋おじさん」は
ガンディーやマルコムXに続く者

 人間が生きていくのには、食べ物と住む場所のふたつが必要です。そういう意味では、実家の子ども部屋に陣取るひきこもりライフというのは、この点をしっかりと押さえた現実的な生存戦略と言えます。

 大きな声では言いたくありませんが、私もあなたも実は、カネで生きる権利を買うことを拒絶する奴隷解放運動の先頭に立つ革命家なのです。ガンディーやマルコムXの後継者。不服従、非協力を貫く、闘う怠け者なのです。

 だからこそ実家暮らしはアイツらに叩かれるのです。パラサイトシングル、子ども部屋おじさんなどと言われ、ダサみっともない、恥ずかしい連中とされているのです。

 こんなバッシングを真に受けて、実家暮らししている自分を否定するようになってはいけません。家の目的は、雨風を防ぐことだけで、それ以外なにもありません。身銭をきって家賃を払う1人暮らしだと幸せで、実家暮らしだと不幸なんてことはありません。なのになぜか、いつまでも実家にいるなと煽られるのです。