新車を買ったのになぜこんなことが…自動車ディーラーで起こりがちな「3つの悲劇」輸入車と国産車ではディーラーまでの道のりも異なります(写真はイメージです) Photo:PIXTA

新車に傷があった、納車時期が遅れた、整備や修理、車検で預けたらとんでもないトラブルに見舞われた――筆者の実体験も基に、起こりがちな「自動車ディーラー事件簿」をお届けします。最終組立工場から出荷されたクルマが購入者の手元に届くまで、どんなドラマがあるのでしょうか?(モータージャーナリスト/安全運転インストラクター 諸星陽一)

悪質な自動車ディーラー
実際のトラブル事例とは?

 クルマは、「人生で住宅の次に高い買い物だ」と言われます。今の住宅は、工場で生産されたパーツを現地で組み立てるプレハブ方式が主流。つまり、家を建てる現地が最終組立工場だと言えます。現地ではさまざまなスキルの職人が作業をするため、手抜きや施工ミス、それらのチェック漏れが発生するケースもあります。これが、欠陥住宅などと言われるトラブルの原因です。

 一方でクルマの場合は、最終組立工場も厳重に管理され、そうしたミスは起きにくいとされています。特に、日本国内の工場で製造されるクルマは厳格に管理されています。

 他方で、かつて輸入車は現地工場の管理がゆるく、アメリカ車などは「金曜日と月曜日に作られたクルマは買うな」というジョークがあったほど。これは、休日前の金曜日は気持ちが浮き立ち仕事が手に付かず、月曜日は遊び疲れて手抜きになる、といったことを示していました。もちろんこれはジョークであって、クルマが故障した際に「運が悪かったね」というような意味が込められているとも言います。

 さて、前置きが長くなりましたが、今回は「ディーラー事件簿」と称して、自動車ディーラーと購入者の間に起こるさまざまなトラブルを、オムニバス形式でお届けしましょう。最終組立工場から出荷されたクルマが、購入者の手元に届くまで、どんなドラマがあるのでしょうか?万全の体制で納車されるはずの新車ですが、トラブルがないわけではありません。