琵琶湖近くの集落にて。ナローボディなので狭い道も楽々琵琶湖近くの集落にて。ナローボディなので狭い道も楽々 Photo by Koichiro Imoto

スズキは、2020年にソリオのストロングハイブリッドを一度引っ込めたことがある。その理由はずばり、販売が振るわなかったから。それでも、ガソリン高騰で燃費への関心が高まっていることを背景に、22年末にストロングハイブリッドを復活させた。改良を重ねた現在のストロング版のメリットは主に3つある。それは何か? マイルド版と徹底比較しながらレビューする。【前後編の後編】(ジャーナリスト 井元康一郎)

>>前編『スズキ「ソリオ バンディット」が、軽の名作ホンダ「N-BOX」の上位互換と言えるワケ』から読む

軽量HVならではの燃費の良さ
リッター23km前後で終始安定

 スズキの小型トールワゴン「ソリオ」のパワートレインは、ストロングハイブリッド、マイルドハイブリッド、純エンジンと多彩。今回、ストロングハイブリッドモデルを3400kmあまりロードテストした。テスト車は、ドレスアップ系グレード「バンディット ハイブリッドSV」。筆者は以前、ソリオのマイルドハイブリッドについても1200kmほどテストを行ったことがあるので、両者を比較しつつ要素別に徹底的に深掘りし、辛口レビューしていきたい。 

 まず、ハイブリッド車を買う人が最も期待するであろう燃費について。ソリオは、最も重いストロングハイブリッドでも車両重量は1050kgにとどまる。極めて軽量に作られているのが特徴なので、燃費に関しては元々有利だ。実走燃費も絶対値としては満足できる水準にあった。給油区間別に満タン法による平均燃費を列記してみよう。

1.神奈川・横浜~兵庫・豊岡
  走行645.0km 燃費22.9km/l
2.豊岡~福岡・田川
  走行548.9km 燃費23.2km/l
3.田川~熊本・八代
  走行156.5km 燃費28.3km/l
4.八代~鹿児島市
  走行180.7km 燃費23.1km/l
5.鹿児島周遊~熊本・八代
  走行481.9km 燃費19.0km/l
6.八代~福岡・田川
  走行152.1km 燃費23.1km/l
7.田川~兵庫・豊岡
  走行573.2km 燃費23.2km/l
8.豊岡~静岡・浜松
  走行407.3km 燃費24.0km/l
9.浜松~東京・蒲田
  走行238.5km 燃費22.5km/l

 走行条件は区間によって結構異なっていたが、燃費の変動は最小限で、リッター23km前後で終始安定していた。