池田 ナマケモノが絶滅しないのは、もしかしたらオウギワシがコントロールしてるからかもしれないね。これ以上食うと、餌が足んなくなって自分たちが滅ぶから、このぐらいにしておこうって。分かんないけど。
南 あー、そうか、あり得るね。頭いいすね。
池田 ライオンも、結果的にそうだよね。狩りがすごく下手で、成功率は2割から3割じゃん。ほぼ成功とかになったら、ライオンの数は増えるだろうけど、餌がどんどん減ってくから、共倒れになっちゃうよな。
食う、食われるの関係のバランスをうまく取っている生物だけが、生き残っているんだと思うよ。そういう意味では、人間はヤバイよね。人口が増え過ぎて、餌が足んなくなってきているから。オウギワシやライオンを見習ったほうがいいよ。
南 やっぱり!面白いなあ。池田さんの話は。
池田 澤口俊之くん(神経科学者)とも自我について話をしたことがあって、彼は、自我は前頭葉の前頭連合野という場所に局在していて、その中で神経細胞がぐるぐるコミュニケーションして、その結果出てくるものだって言ってた。
だけど、前頭葉の細胞の中身だってどんどん入れ替わっているし、コミュニケーションのパターンも昨日と今日は違うのに、どうして同じ自我がそこにあるのかっていうのが、俺の興味なんだよね。
南 細胞が全取っ換えになっても、脳は変わらない。