ただし、長期保有だからと言って、ほったらかし、というわけにはいかない。株主優待は会社の都合で簡単に廃止されたり新設されたりするので、企業のホームページの「IR情報」をこまめにチェックすること。また、株価の動きがまったくわからないと優待株を買うタイミングが計れないので、「株価チャート」は理解したほうがいいという。

日常生活の範囲内で使えるものか

「株価チャートが読めれば、上昇トレンドなのか下降トレンドなのかくらいはわかるようになり、今が買い時かどうかの判断がつきます。そして大事なのは、優待が自分の日常生活の範囲内で使えるものかどうか確認すること。例えば、飲食店の食事券を購入しても身近な場所にそのお店がなく、使うことができなければ無駄になってしまいます」

 食事券や優待券は使用期限が設けられているケースがあるのでチェックするように。

 株式投資は自己責任で行うものなので、心から自分が応援したいと思える企業の株を探してみてはどうだろうか。

(構成・村田くみ)

澤井康生(さわい・やすお)/秋法律事務所パートナー弁護士。早稲田大学政治経済学部卒業後、警察官僚、警視庁刑事を経て2003年に旧司法試験に合格。弁護士活動の傍ら、早稲田大学大学院でファイナンスMBA(経営学修士)も取得。もともとは国内不動産投資信託(J-REIT)専門の投資家だったが、株主優待の魅力にハマる。優待株だけでも現在約250銘柄を保有。楽天証券「トウシル」連載中。現在、同大学院法学研究科博士後期課程に在学し刑事法を専攻。東京都出身。

AERA dot.より転載