「後ろにも目を持つ」と、
相手の小さな変化を見逃さない

松澤萬紀(まつざわまき)  幼少期よりCA(客室乗務員)に憧れ、8回目の試験で念願のCAに合格。ANA(全日空)のCAとして12年間勤務する。トータルフライトタイムは 8585.8時間(地球370周分)。ANA退社後は、マナー講師、CS(顧客満足度)向上コンサルタントとして活動。年間登壇回数は 200回以上。総受講者数は、2万人以上。リピート率は97%に達している。また、読売テレビ「ミヤネ屋」への出演、毎日新聞にも掲載されるなど、メディアでも活躍中。
【オフィシャルHP】
http://www.matsuzawa-maki.com/

 人に迷惑をかけない人は、後ろにも目を持っています。目の前のことだけでなく、「後ろに迷惑をかけていないか」を気に留めています。だから、相手の小さな動作や表情の変化を見逃しません。

 先日、東京メトロの構内で見かけたポスターには、こんなキャッチコピーが書かれてありました。

「なぜ後ろを、気にしないの?前向きはいいことだけど」

 後ろにも目がないと(後ろにも気を配っておかないと)、「後ろの出来事」に気がつけません。

 人間の視野は、両目を使っても「左右で約180度(前方)」しか見渡せない。ということは、残りの「約180度(後方)」を見るためには、感性や、想像力や、察知力を働かせて「後ろに迷惑をかけているかもしれない」と、注意を払う必要があります

「閉じた傘を持つとき、傘の先を後ろに向けていると、人にケガをさせてしまうかもしれない」「改札の前で立ち止まったら人とぶつかってしまうかもしれない」「歩道を横並びで歩くと、道をふさいでしまうかもしれない」…。

 こうした察知力と観察力が、その人の周囲への気づかいとなり、それが日ごろの習慣として積み重なることで、人となりや品性を培っていくのだと思います。

(※次回の「第7回の記事」は、5月8日(水)の掲載となります)


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