本当の気づかいができる人は、
「後ろにも目」を持っている
朝の品川駅で、目の不自由な紳士をお見かけしました。
私はCA時代に「周囲に関心を持って、困っている人がいたら手助けする」という教育を受けています。階段をあがる初老の男性を見て、私は「お手伝いが必要になったら、声をかけよう」と、見守ることにしました。
白杖をつく紳士の前には、制服姿の男子高校生が階段を上っていました。彼はすぐに「自分の後ろに、目の不自由な人が歩いている」ことに気がついたのでしょう。紳士を先に上らせ、彼は「紳士の後ろにまわった」のです。
白杖の紳士の1歩後ろを上る彼を見て、私は気がつきました。
この高校生は「万が一男性が階段でつまずいてしまったら、自分が支えてあげよう」と考えたのだと思います。だから、紳士の後ろにまわったのです。
高校生の彼もまた、Kさんと同じように、後ろに目を持ち、「自分以外のこと(人)にも、関心を向けられる人」でした。
先輩CAから「前ばかり向いてサービスをしてはダメ。後ろにも目があるつもりで、360度すべてに気を配りなさい。それがプロの仕事です」と教えられたことがあります。