「いよいよ片づけなければ」とモチベーションが高まる大掃除シーズン。
とはいえ、足の踏み場もないほど部屋が散らかっていて、
掃除以前の問題かも…とあせっている人もいるだろう。
これまで1万軒以上のお宅を片づけたプロであり、
登録者数16万人の人気YouTube「イーブイ片付けチャンネル」の
運営者でもある二見文直氏のところには、
日々、片づけに関するさまざまな悩みが寄せられる。
寄せられる悩みのほとんどが「片づけができない」「片づけは苦手」という声。
しかし、二見氏は「多くの人が、勘違いしているようです」と語る。
今回は書籍『1万軒以上片づけたプロが伝えたい 捨てるコツ』も述べている
「今すぐ片づけ上手になる! 超シンプルな考え方」について伺った。
(構成/ダイヤモンド社・和田史子)
片づける前に整理収納アドバイザーの資格!?
「どこから手をつければいいかわからない」
片づけでよく耳にするお悩みです。
どこを見渡してもなんだかごちゃごちゃしている。
片づけようとしても、しまう場所がない。
ちょっと引き出しや棚の中の物を出してしまったが最後、部屋じゅう散らかってしまい、元に戻すこともできずにそのまま放置せざるを得ない。
床にもテーブルの上にも、テレビ台やベッド、ソファのひじかけにも物が積み上がっていて、これ以上積み上げるスペースがない。
部屋が散らかっている人は、もれなく「自分は片づけが苦手だから」とおっしゃいます。
しかも、多くの方が「片づけができないコンプレックス」を抱えていて、自分に自信が持てないと話されます。
実はこの「片づけ苦手意識」というのがやっかいな存在だったりします。
あるとき、部屋が散らかって困っているAさんから、片づけの相談を受けました。
その方は仕事が大変忙しく、部下やお客様からの信頼も厚い、すばらしい方です。
まじめなAさんは、次のように言いました。
「片づけ下手なので、整理収納アドバイザーの資格を取ろうと思っています」
Aさんのように「片づけられないから資格を取る」と言う方、一人や二人ではありません。これまで何人もの方から耳にした言葉です。
「いやいや、それはもっとずっと後の話ですよ!」といつも話しています。
資格を取る前にやることがあるのです。
今すぐ片づけ上手になる! 超シンプルな考え方
Aさんのように、整理収納アドバイザーの勉強を始めたり、整理術や片づけ術の本を読んでは挫折している人がいます。
残念ながらやり方の順番が違うのです。
「資格を取る前に、部屋にあふれたモノを捨てるのが先ですよ」
と、Aさんにお話ししました。
1万軒以上のお家にお邪魔して気づいたのは、片づけにおいて一番大事な「捨てる」を飛ばしてしまっているという事実です。
部屋を片づける順番は、
①モノを減らすために捨てる
②整理・収納する、です。
なのに、依頼者のみなさんは捨てることをせず、いきなり②整理・収納しようとして③挫折する、という悪循環に陥っていたのです。
おそらく整理収納アドバイザーの勉強にも「まずは捨てましょう」といったお話があると思います。
結局、捨てることから逃れることはできません。
□ごちゃごちゃしていて、落ち着かない
□あちこちに物が積み上がっている
□片づけてもすぐリバウンドする
□いつも探し物ばかりしている
といった悩みは、すべて「部屋にモノが多すぎる」ことが原因です。
Aさんのように「片づけが苦手」とおっしゃる方は、みなさん単に「捨てることになれていない」もしくは「捨てるやり方を知らない」だけなのです。
例えばカフェでお茶を飲んでいるときや、それこそ資格試験でテストを受けようとするときに、「机の上が片づけられない!」と困ったことはないはずです。
捨て方については、この連載で紹介していきますが、まずは「片づけには順番があって、捨てることから始めなければいけない」ことを理解しましょう。
そして、「片づけが苦手」という意識も、今日から手放していただければと思います。
苦手意識がなくなるだけで、片づけに向き合う姿勢が変わります。
「捨てられない」のではなく「捨てるに慣れていない」だけ。
どうか安心して「捨てる」ことからトライしてみてください。