20年以上にわたり、のべ6000軒以上の家を片づけてきた「片づけのプロ」、seaさん。家事代行マッチングサービス「タスカジ」では口コミで人気に火がつき、「予約が取れない家政婦」と呼ばれている。seaさんの片づけメソッドのすべてを注入した新刊『家じゅうの「めんどくさい」をなくす。ーーいちばんシンプルな「片づけ」のルール』やテレビ「セブンルール」出演でさらに話題になり、ますます依頼が殺到している。
本記事では『家じゅうの「めんどくさい」をなくす。』から、一部内容を抜粋・編集して紹介する。今回は「片づけられない人」が苦手な「服の処理」にまつわるお話。

6000軒を片づけた家政婦が教える「服を脱ぎ散らかさずにいられない問題」の対処法Photo: Adobe Stock

服を脱ぎ散らかすのは、あなたが「だらしない」からではない

 脱いだ服を、ついついソファやイス、ベッドの上などに放置してしまい、家が散らかってしまう方はいませんか。

 それって、あなたが「だらしない」からやってしまう行動ではないんです。

「しまいたくない服」がしまえないのは、当たり前

 どうしても「しまいたくない服」というのは存在します。

 筆頭は、脱いだばかりのアウターやジャケット。どうにもクローゼットに戻すのがおっくうで、ついどこかにちょい置きしていないでしょうか?

 それは、これらが「中途半端なモノ」だからです。

 たとえば脱いだTシャツには洗濯カゴという明確な行き先があります。一方、脱いだジャケットはクローゼットにしまうべきですが、脱ぎたての服は蒸れていたり匂いがついていたりして、そのままクローゼットに入れたくない状態のことも多いです。あるいは単純に、帰宅直後は疲れていて、ちょっと休まないと動けない方もいるでしょう。

「しまいたくない」気持ちに、逆らう必要はない

 そもそも「しまいたくない」と感じているのに、その気持ちを無視してクローゼットまで行くのは相当めんどくさいもの。

 こうして、脱ぎたてのジャケットは行き場を失うのです。

「一時置き場」があれば、服は散らからない

 ならば、そういう「しまいたくない服」を入れるための「一時置き場」をつくりましょう。

 カゴや小さめのハンガーラック、壁掛け用のフックなどを設置して、そこに「しまいたくない服」をいったん入れます。クローゼットにしまうのは、服の湿気が抜けたり、あなたの体力が回復したりと「しまうことへの抵抗」がなくなったときでかまいません。

 この方法なら、生活空間にモノが放置されず、心理的な負担も押さえられます。

「一時置き場」は、脱いだあとラクに戻せる場所につくります。クローゼットまで行くのが苦でないなら、その手前に。リビングで力尽きてしまうなら、リビング内に。帰宅してすぐ処理したいなら廊下にフックを設置してもいいのです。

 一度着た(でもまだクリーニングには出さない)ニットや、脱いだ(けど今夜も着る)パジャマなども中途半端で行き先がはっきりしない服です。これらも洗うタイミングまでは「一時置き場」に置いておくとよいでしょう。