「そんな言葉、どこで流行ったの?」
新メディアの台頭で興味が“界隈化”
しかし振り返ってみれば、この頃が全世代が納得できる流行語の最後だったのかもしれない。
SNSが隆盛となり、個人でも動画での発信が容易な時代となった。テレビが圧倒的な発信源として君臨した時代は今は遠く、今年は「オールドメディア」と叩かれまくっている。
若い世代はTikTokに夢中だし、高齢層でもYouTubeを楽しんで見ている人は少なくない。そして趣味は多様になった。野球人気はいまだ根強いとはいえ、五輪種目にもなったブレイキン、スケートボード、スポーツクライミングなど、それぞれの分野での熱狂がある。
トップ10には「界隈」という言葉が入ったが、この言葉を使うのであれば、それぞれの「界隈」での熱狂があり、逆に言えばその「界隈」から一歩出れば、そこで流行っていることを誰も知らないという状況が顕著なのが現代である。昔のように国民的スターが生まれづらく、「推し」も多様と言っていいかもしれない。
こういう時代であるからこそ、最も知られる「流行語大賞」の他にも「ネット流行語大賞」(2007年〜)、「SNS流行語大賞」(2019年〜)というものが存在する。
「ネット流行語大賞」は今月18日に発表されるそうで、ノミネートされているのは「無課金おじさん」「人の心とかないんか?」「思ったよりヤバいのが出てきたなどうすんだこれ」「大谷翔平」「石丸伸二」など。
「SNS流行語大賞」はすでに発表されており、1位は「猫ミーム」だった。こちらでも5位に「無課金おじさん」が選ばれているほか、8位に「デコピン」がめでたくランクインしている。