デジタル化や脱炭素の潮流が加速し、物価高の影響も続く。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はニデック、村田製作所など「電子部品」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)
ニデック、村田製作所、TDK
3社増収も京セラだけ減収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の電子部品業界4社。対象期間は2024年7~9月期の四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・ニデック
増収率:8.9%(四半期の売上高6456億円)
・村田製作所
増収率:4.3%(四半期の売上高4617億円)
・京セラ
増収率:▲1.2%(四半期の売上高4997億円)
・TDK
増収率:2.6%(四半期の売上高5706億円)
電子部品業界の四半期増収率は、京セラだけ減収という結果だった。同社は4~9月期累計の中間決算では増収率は1.3%増だったが、営業利益は29.9%減だった。
一方、ニデックは中間決算の売上高・営業利益が過去最高を更新。両社の明暗が分かれた。
なぜ、京セラだけが苦戦を強いられているのか。ニデックの好調要因とあわせて、次ページ以降で詳しく解説する。