12月10日、韓国・ソウルで集会に参加する人々12月10日、韓国・ソウルで集会に参加する人々 Photo:Anadolu/gettyimages

12月3日深夜、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が、突然「非常戒厳」を宣言するも未明には解除したことで始まった戒厳令騒動。あれから1週間がたったが、尹氏への弾劾案、出国禁止、内乱容疑と依然として混乱が続いている。野党党首である李在明(イ・ジェミョン)氏は反日政治家として知られる。尹氏に代わり、李氏が大統領の座についた場合、彼は文在寅前大統領が行った反日運動「NO JAPAN」を再開するのだろうか?(韓国在住ライター 田中美蘭)

尹錫悦大統領の弾劾案は成立せず

 12月3日の深夜、大統領の尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏によって発令された「緊急戒厳令」。韓国に衝撃が走ったあの夜から1週間がたつ。突然の戒厳令、軍が国会に出動するなど混乱が広がり、メディアはこの日、終夜ニュースを伝え続けていた。

 戒厳令そのものは、12月4日未明に国会否決され、明け方に尹氏が解除を宣言、一夜にして終わったものの、国民の尹氏に対する怒りや不信感の高まりから、尹氏の退陣を求める声が強まっている。

 12月7日には、野党「共に民主党」が尹氏の弾劾(だんがい)案を提出、採決が行われた。野党側は賛成票192票を投じたものの、与党側は投票を放棄して退席、成立せず廃案となった。しかし、野党「共に民主党」の党首である李在明(イ・ジェミョン)氏は、尹氏の弾劾を目指し、法案が成立するまで国会に提出すると宣言している。また、ソウルのみならず、釜山や大邱など地方都市でも尹氏の退陣を求める左派系団体によるデモが断続的に行われ、「尹氏が辞めるまで続ける」という。