「地方には路線価(国税庁が決めた土地の価格)以下で買える物件が多くあります。比較的少ない初期投資額で高い利回りが期待できる空き家投資はこれからますます注目されるでしょう。競合が少ないエリアは利回りも高い。外国人の投資家も参入してきています。働き方の多様化で生活の拠点を地方に移す変化は今後も続くでしょう。これからは地方の空き家投資の時代です」(大熊さん)

 このような地方に眠る「宝の山」といえる空き家を購入し、家賃からの逆算で算出したリフォーム工事費をかけて再生し、賃貸物件として入居者を募る。これが空き家投資だ。

8~10年ほどで回収

 注意したいのは、安定して家賃収入を得るためには、

<その空き家をいくらで購入し、工事費用にどれくらいかけて、家賃をどのくらいで設定すれば入居者が入るか>

 という収支シミュレーションを事前にすること。

(一社)全国古家再生推進協議会では、そうした能力を携えた「空き家投資の専門家」の育成もしているという。全国古家再生推進協議会が仲介した物件の1戸当たりの平均投資額(物件購入費とリフォーム工事費の総額)は620万円ほどで、平均家賃は6万9247円。平均利回りは13.8%。空き家購入のリピート率は22%超という。

「たとえば300万円の物件を買って300万円ほどかけてリフォームすると、おおよそ8~10年ほどで回収できます」(大熊さん)

 600万円ならば投資できると考える人は、少なくないだろう。