サンマルクカフェ2024年3月期貸借対照表を豚の貯金箱のイメージサンマルクカフェ2024年3月期貸借対照表を豚の貯金箱のイメージで記載
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 一方、サンマルクHDはどうでしょうか。固定資産は263億円、純資産が301億円で、純資産で固定資産をまかなえています。固定資産の内訳を見ると、有形固定資産が152円億、投資その他有価証券が109億円となっています。

 固定資産比率だけ見るとコメダHDは固定資産が多く、リスクが高く見えます。しかし、その内訳まで詳しく見ると、実は有形固定資産が大きいのはサンマルクHDでした。

 サンマルクHDはほぼ全店が直営店です。同社の有形固定資産は、直営店の店舗などを指します。一方、コメダHDは多くがFC運営で、FC加盟店舗が店舗費や人件費を負担します。

コメダが強みを発揮する
“秘密基地”とは

 それでは、コメダHDの有形固定資産は何でしょうか?実はこの点が、コメダが独自開発のメニューで強みを発揮する秘密につながっています。

 コメダでは加盟店舗に卸すコーヒーやパンを製造する自社工場を持っているのです。名古屋の製餡工場、尾張のコーヒー工場を筆頭に、関東コーヒー工場(千葉県印西市)、九州コーヒー工場(福岡県宗像市)でコーヒーを一括抽出しています。これにより、全国どこで飲んでも美味しいコーヒーを提供できるのです。

 また、パンも研究開発を重ね、4つの自社工場にて厳選した素材を独自の製法で加工し、毎日店舗に配送しているそうです。人気メニューランキングで上位の「シロノワール」で使われる「デニッシュパン」も、コメダオリジナル小麦を使用した最高品質のパンとのこと。

 記事の後編では、おいしさの秘密を支えるビジネスモデルについて、さらに深掘りしてみましょう。

>>『コメダの利益率はサンマルクの5倍!「驚異の利益」を生む理由【イラスト図解】』に続きます