コメダ珈琲店を傘下に持つコメダホールディングスと、「チョコクロ」のサンマルクカフェを傘下に持つサンマルクホールディングスの決算書を、イラスト図解で比較・解説します。前編に続く後編では、損益計算書(PL)を、風船のイメージ図解にしてみましょう。フランチャイズビジネスのメリットをうまく生かしているのは、どちらの会社でしょうか。(風船会計メソッド考案者 松本めぐみ)
PLの売上高・費用・利益を
風船のイメージにして理解しよう
さて、BSに続いて損益計算書(PL)を、風船のイメージ図解にしてみましょう。風船全体が「売上高」を、風船の中の重りが「費用」を、残ったヘリウムガス「営業利益」を表しています。※利益には複数種類ありますが、「本業での稼ぎ」を判断するために本稿では営業利益で確認します。
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コメダHDとサンマルクHDのPLを、風船の図に置き換えるとこうなります。
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まず、売上高比較するとコメダHDが432億円に対して、サンマルクHDは645億円と1.5倍あります。
次に、費用の内訳では、コメダHDは売上原価が286億円で販売管理費が60億円と、原価が多く販売管理費が少ないことが分かります。これは、コメダ珈琲店の大半がフランチャイズ(FC)店舗である事が理由の一つです。FCの場合、販売管理費を占める人件費、賃借料、光熱費などは加盟店が負担するので、コメダHDの負担分は少なく済みます。
では、サンマルクHDはどうでしょうか。こちらは大半が直営店なので人件費、賃借料、光熱費などはすべてサンマルク側が負担する事になります。そのため、販管費が463億円と、実に売上高の72%も占めています。さらに販管費の内訳として、約200億円が人件費に当たります。