尊敬されるリーダーは
権力を振るわず部下を尊重する

 クーゼスとポズナーは、何万という人にこの質問をしてきました。「尊敬するリーダーと仕事をしたときにどう感じたか」に対する回答としては、次のようなものが多かったそうです。

valued 自分が評価されていると感じた

motivated やる気が湧いた

enthusiastic 情熱を感じた

challenged チャレンジ精神をかき立てられた

inspired 感化された

capable 自分には能力があると思えた

supported サポートされていると感じた

powerful 力があると感じた

respected 自分が尊重されていると感じた

proud 誇らしく思えた

 逆に、誰も使わなかった表現には、以下のようなものがありました。

fearful 怖いと思った

intimidated 威嚇されたように感じた

stupid 自分が無能なように感じた

sad 悲しくなった

 これはつまり、自分を良い気分にさせてくれるリーダーに人は従うということを示しています。言い換えるなら、尊敬されるリーダーは、自分の地位を強調したり、部下をないがしろにする行動をとったりすることはありません。すぐれたリーダーは、地位に基づく権力に依存して権威を示そうとするのではなく、部下を尊重し、部下の心をポジティブな感情で満たします。

 尊敬するリーダーがとっていた行動を自分もとることで、自分がその人と一緒に働いたときの気持ちを部下も経験するように努め、リーダーシップを発揮するのです。どんなリーダーでも、この観点から自分の行動を振り返るのは有意義だと思います。