ご参考までにアリババのジャック・マーですが、絶頂にいた2020年、中国政府を批判しました。するとアリババ傘下の金融会社「アント・グループ」のIPO(新規株式公開)が突如中止となり、ジャック・マーは行方不明になったのです。同年、歯に衣着せぬ発言で「中国のトランプ」の異名をとる不動産業界で財を成した富豪のレン・ジチャン(任志強)も、習近平を批判した後に数カ月間行方不明となり、その後、汚職容疑により18年の禁固刑で収監されました。2023年には北京に拠点を置く投資銀行「チャイナ・ルネッサンス・ホールディングス(華興資本)」のバオ・ファン(包凡)会長も連絡が取れなくなりました。
魔法が解けたことに
ようやく気づいたら
あなたの魔法、まだかかっていますか?
中国政府についてのコメントさえ慎重にすれば、まだいける。周りをグルリと確かめてから物を言うのが、大人の知恵。そう即答できた人もいるかもしれない。中国政府に配慮してから物を言う、といった忖度の集積体を「エスタブリッシュメント」と呼びます。気がついたらグルッと回って青年会議所の玄関に着いていた、というオチです。券を買ってパーティーに行けば自民党の若手代議士と名刺交換ができるかもしれません。でも、その時点でゴールポストは風雲児ではなく、風雲児の取り巻きへとシフトしているんです。
ヒーローごっこがしんどくなったら、まずは転がっている自分を認めましょう。現状を認めましょう。自分をメタ認知して客観的に見ることができれば、一度は止まれます。
他人の言葉を借りず、不器用なままの自分の言葉を見つける。それができれば本当のあなたに再会し、その時から自分自身の変化が始まっていくのです。