で、社会人になるんだから、クスリはもうヤメー!英検とかも受検しようとか、なんかいっしゅん猛烈にやる気になってたんだけど、その年のゴールデン・ウィークを過ぎたあたりから、急激に、どうしても会社に行きたくなくなってきて⋯⋯そのときの彼氏といっしょに、またクスリを使うようになったんだ。
そのうち相手に妄想みたいのが出てきて、浮気したんじゃないの?とかしつこく言われてるうちに、私もどんどんエスカレートして、彼氏の家の2階から飛び降りたりした。けっきょくお母さんに別れさせられたんだけどね。
昼の仕事を続けながら
クスリを売る日々
そのあとの彼氏は、イランの人でね、その人からはお金ももらえて、借金とかもどんどん返せたし、タダでクスリももらえたし。こんないいことないじゃんって。こどももできてお母さんには「ザマアミロ!」って感じだったし、結婚しようかってことでイランまで行ったんだけど、ことばもわからないし、あれ、ちょっとこれは無理かなあって。
仕事をはじめてから、私はひとりでこっそりアパート借りてたんだ。やっぱり家に帰りたくなかったからね。毎朝、一瞬だけ、着がえるためだけに帰ってたの。お母さんは不審に思ってたはずだけど、夜はバイトしてるんだ、ってウソついてた。
でもイラン人の彼がけっきょく逮捕されて、裁判になった。そうすると、いろいろなことが発覚しちゃうでしょ。しかたなく私は、お母さんにいろんなことを打ち明けたの。このときアパートの場所も教えたんだけど、それからというもの、お母さんは、クスリの売買と犯罪についての記事とか、それから、ダルクの人たちの書いた小冊子とか、山のようにアパートの郵便受けに入れていくの。私はいつも居留守使ってたから。郵便受けに入ってたものは、まあ少しは気になるから、捨てはしなかったし、チラリとは見てたよ。
でも、近所でお母さんにバッタリ会ったときは、ものすごいスピードで逃げた(笑)。とにかく顔も見たくなかったし、話もしたくなかったから。