高校に入ってからの夏休みは、代々うちがもってた小さな別荘みたいなとこにずっと遊びに行ってて、家にぜんぜん帰らなかった。お母さんには適当にウソついてね。だから、「外出一切禁止」になったりしたけど、家に帰りたくなかったから、無視してたよ。
このころもお母さんの暴力はあったけど、もう私のほうもからだが大きくなってたから、「やめろー!!」って腕つかんで止めるくらいにしてね。だって私がお母さんを殴ったら、お母さんかかわいそうだから⋯⋯でも、腕つかんでる時にツメ立てたりして、そうするとお母さんの腕から血がじわーって。一方的にどなられつづけることもあいかわらずあったけど、もうからだからこころが抜け放題で、私はなんにも聞いてなかった。
クスリに手をつけ
飛び降りた
高3のころ、当時つき合ってた彼氏や友だちの輪の中で、はじめて覚せい剤をやった。やせたいとか、夜通し遊びたいとかいろんな理由があったような気がするけど、唯一の仲間と秘密を共有することで、居場所がほしかったのかもしれない、と思う。
学校じゃ、「将来の夢は?」とか聞かれる時期だよ。将来の夢なんてないよ、ふつうになりたいよ、って、私は思ってた。あと、やっぱりお母さんのことだよね。お母さんのことは、私が面倒みなきゃいけないって、ずっと思ってたの。それに、お金があれば、お母さんにお金わたして、お金にモノ言わせて距離がとれるんじゃないかっていうふうにも考えたんだよね。だからお金はともかくためとかないといけない、と。
それで、お金があるといえば野球選手かあ、って私は思うわけ。野球選手はスチュワーデス⋯⋯今はキャビンアテンダントって言うんだっけ?……と結婚するじゃん?じゃあ私もそうなろう、って、高校卒業して、スチュワーデスの専門学校に行くんだよ。このころから私って、男の人になんとかしてもらおう、って気持ちが強かったのかな(笑)。
で、やっぱりこのころ、遊びでちょっとだけクスリを使ってしまったんだけど、専門学校の卒業と同時に上場企業に就職決まって、お母さんにも「どうだ!!」って。