堀口先生 さて、脱線してしまいました。元の話に戻りましょう。つまり何が言いたいかといえば、確率を0にすることはできないので、ある程度の許容できる確率のラインを決めてしまうことが大切です。選挙の当選確実かどうか、という情報は間違えてはいけない情報です。ですので、より確率が高い段階で決めたいところですね。0.14%程度の過ちは許容することを前提に考えるのであれば、100人中50人がAさんに投票したという出口調査の結果に対して、34人以下となることはほぼありえない。つまり、「35%以上の票は確実に得られた!」として、その選挙の当確ラインが35%の得票率なら、その時点で報道すればよいわけですね
マリさん なるほど。でも、少しもやっとします。
堀口先生 どこがでしょうか?
堀口智之 著
マリさん 私の周りでは今の政権についてそれほど批判的にとらえている人はいない印象ですが、しかし、SNS上では批判的な意見が多いです。つまり、出口調査の結果が実際の国民の意見とは限らないわけですよね?データが偏ってしまったらどうするんですか?
堀口先生 実は、データが偏らないように、出口調査は2000以上の投票所で実施されていたり、出口から出てきた人に連続で聞かないようにしたりなどのルールを元に運用されています。例えば連続で聞いてしまうと、その2人が友人だったりするわけです。そうなると、投票結果もだいたい似たようなものになる可能性はありますよね。
マリさん たしかに。偏りがないように調整してくれているのですね。いやー、勉強になります。選挙の中で確率がこんなにも活用されていたとは。